境界トラブル救急隊

境界トラブル救急隊

土地の境界を確定させたい方 ⇒ 確定測量

申請地の周囲の隣接地所有者様や道路・水路などの管理者と現地にて境界杭の確認作業を行い、土地の境界線を確定させる測量のことを「確定測量」といいます。 お隣との境にブロック塀などで仕切られている場合でも「ブロック塀=境界線」ではありません。正しい位置の境界杭と境界杭を結んだ線が境界線となります。たとえ境界杭があったとしても、過去の測量成果と整合していない場合もあります。また、境界杭が無くなってしまっている場合もあります。この場合には、隣接地所有者様の立会い及び承諾を得てから、新たに境界標を埋設しなければなりません。 申請地の周囲すべての隣接地所有者様や道路・水路などの管理者との境界確認と承諾を得ることと、すべての境界杭を正しい位置に埋設することが出来て「境界の確定」となります。境界の確定した面積のことを「実測」といいます。土地の売買には、ほぼ「実測」が必要になります。また、土地の分筆や、地積更正登記を申請する際にも「実測」が必要になります。

ポイント
最近、「自分の代で境界をはっきりとさせたい」とのご希望で「確定測量」の依頼が増えております。昔ながらの土地や農地、山林などは世代が変わってしまうと、境界線が分からなくなってしまう場合があるようです。土地のすべてが、必ずしも境界がはっきりとしているとは限りません。土地の境界がわからないとトラブルに巻き込まれることがあります。すべて土地を「確定測量」する必要はありませんが、次の世代へ土地の境界について伝えておく必要はあるかと思います。

建物を新築された方 ⇒ 建物表題登記

建物を新築した場合は、完成後1カ月以内に、建物の位置や面積、所有者などの情報を登録する「建物表題登記」を申請するよう義務づけられています。新しく新築した建物や以前に建物を建築したが登記されていない建物には登記簿がありません。建物を新築された方や以前に建物を建築したが登記をまだしていない方は、「建物表題登記」を法務局(登記所)に申請しなければなりません。登記簿は、「表題部」と「権利部」の2つで構成されていますが「表題部」には建物の所在・家屋番号・種類・構造・床面積・新築年月日などが記載され、「権利部」には所有者の住所・氏名・抵当権の設定等が記載されます。「表題部」に関する登記は土地家屋調査士が、「権利部」に関する登記は司法書士が代理人となって申請します。順番は「表題」>「権利」です。「建物表題登記」(登記簿を新しく作る)をしないと権利の登記は出来ません。

ポイント
融資を受けて建築された建物の場合は、手続き上建物表題登記を忘れることはありませんが、借入れしないで新築された建物の場合、申請していない事例が少なからずあります。 建物表題登記の申請には所有権を証明する書類などの添付が必要になります。これらの書類は、新築後すぐであれば容易に準備できますが、何十年も経過すると紛失することもあります。

建物を解体された方 ⇒ 建物滅失登記

建物を解体したり火災で焼失した場合は、1カ月以内に建物の滅失登記を申請することが義務づけられています。建物の取壊しをされた方・建物が焼失してしまった方、建物が存在しないのに登記簿上だけ残っているような方は「建物滅失登記」をしなければなりません。

ポイント
建物滅失登記の申請には、工事人の証明書を添付する必要があります。この書類は、工事後すぐであれば容易に準備できますが、何十年も経過すると紛失することもあります。建物滅失登記を申請すると、自動的に役所の固定資産税課に通知されますので、誤って固定資産税を徴収されることがなくなります。建物の固定資産税は1月1日時点で固定資産税課税台帳に登録されている内容を元に課税されます。現存しない建物に対して請求される事もありますので、建物滅失登記忘れの無いよう気をつけてください。

農地を宅地や駐車場にしたい方 ⇒ 農地法申請

農地を活用するためには、農地法の許可が必要になります。無許可で農地以外に利用してしまう(無断転用)と多くのペナルティが課せられます。例えば、他の農地で農地法の許可を受けようとした場合、無断転用の農地があると農地法の許可が受けられません。また、無断転用の内容によっては無断転用地を元の農地に戻す(現状回復)是正を求められます。違法な建築物などは、撤去しなければならず大変重いペナルティが課せられます。

ポイント
「自分の農地を転用したい」と言っても、転用したい目的によって許可の受けられる可能性は様々です。市街化区域と市街化調整区域によっても異なります。昔から利用していたので気付かなかった場合も多く見受けられます。また、「もう農業を続けられない」などの理由では許可を受けられません。農地以外に利用するためには合理的な理由が求められます。農地を農地以外へ利用する時は、事前にご相談ください。

農地法3条とは、農地を農地として貸し借り、売買する場合。許可後もそのまま農地として利用する場合
農地法4条とは、土地所有者本人が、農地以外に利用する場合。本人の物置や本人の駐車場として利用する場合
農地法5条とは、農地を土地所有者本人以外の人が、農地以外に利用する目的で、賃貸、売買等をする場合。

農業振興地域の農地を宅地や駐車場にしたい方 ⇒ 農振除外申請

農業振興区域に指定されている農地(青地農地)を宅地や雑種地として利用するには、農業委員会に農地転用許可申請を提出する前に「農業振興地域から除外をする申出(農振除外申請)をして「青地農地」を「白地農地」に変更する必要があります。

ポイント
青地農地は、最も制限が厳しく転用するのが難しい土地です。 申出地以外の農地に無断転用がある場合、申請も受付けてもらえません。この審査は通常半年以上かかり、受付時期は年に2回しかありません。

土地を分割したい方 ⇒ 土地分筆登記

土地の一部を売買する場合や、相続により土地を分割してそれぞれに分ける場合、共有名義の土地を分割して単有名義にする場合、畑の一部を宅地にする場合等のように、1つの土地を何らかの理由で複数の土地に分割することを「土地分筆登記」といいます。 土地の登記簿は1筆ごとになりますので、2筆に分筆した場合には、登記簿は2つになります。また、分筆点には新しく境界標を設置することになります。

ポイント
「土地分筆登記」する際には、元筆のすべての境界点に境界杭が必要になります。境界杭が無い場合には、境界杭を復元する必要があります。また元筆の実測した面積と、登記簿に記載された面積の誤差が、認められている限度を超えている場合には、土地地積更正登記が必要になる場合があります。

土地の地目を変更した方 ⇒ 土地地目変更登記

地目が変更した場合、土地の所有者には1カ月以内に土地地目変更登記を申請することが義務づけられています。 畑だった場所に建物を建てたり、宅地の一部を道路にしたりした場合、合筆するにあたって地目を揃えたい方等は、土地の地目と現況を一致させるため、「土地地目変更登記」をしなければなりません。 地目とは、土地にはその現況と利用目的に応じた23種類の地目が決められています。家が建っている土地ならば「宅地」、田んぼであれば「田」といった具合に土地の質的なものを表示するものです。

23種類の地目
田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝(せいこう)、保安林、公衆用道路、公園、鉄道用地、学校用地、雑種地

ポイント
農地(畑、田)の場合には、農地法の申請が必要になります。農地法の許可無く農地を別地目にした場合、農業委員会より農地に戻す(現状回復)よう行政指導がありますので、ご注意ください。

土地の真北を知りたい方 ⇒ 真北測定

「日影図」作成には「真北測定」が必要になります。 マンションなどを新築する場合、周辺の建物が日影になる時間帯を示す「日影図」が必須資料となります。建築基準法の日影規制は隣地に落ちる影の時間を制限しています。「日影図」は主に、マンション施行主が、あらかじめ住民説明用に作成する場合や日照権の判断基準に使用されます。

ポイント
「真北」とは、太陽を観測した北極点の方向のことで、地球儀でみる経線(縦線)のことです。「磁北」とは、方位磁針の指す北のことで、正確な北極点の方向ではありません。通常の図面に記載されている方位は「磁北」です。

土地の高低差を知りたい方 ⇒ 高低測量

建物を新築する場合、宅地と道路の高さを合わせるために造成工事を行います。工事費用の見積りや、建築行為の許可申請には、現状の土地高低差を記載した図面が必要になります。土地の周囲にブロック塀などの外構工事をする際にも高低測量が必要になる場合があります。

ポイント
建物を新築する場合には担当の建築士さんが「高低測量」の必要性を判断されます。建築士さんの指示によって、高低測量をする位置、数量等が決まります。建築士さんとの打ち合わせが必要になります。

土地の現況を知りたい方 ⇒ 現況測量

主に建物の新築や増築をする時、建物の配置計画や建築確認申請に必要な図面を作成する場合に行う測量を「現況測量」といいます。ブロック塀や生垣、道路側溝などで結ばれた敷地の面積を算出します。確定測量とは異なり、境界立会い等は行いませんので確定した面積ではありません。また、ご希望の内容によっては、建物の形状や位置、道路・マンホール・電柱など、その他現状把握や検討に必要な現況測量を行い、図面(現況測量図)を作成します。

ポイント
現況測量は、土地の現状を把握するための測量であって、費用や作業期間が大幅に抑えられるメリットがある反面、土地の売買や分筆登記・地積更正登記には使用できません。「現況測量」と「確定測量」は測量する目的が異なりますので、図面に記載される内容も使用方法にも大きな違いが生じてきます。

登記簿の面積を直したい方 ⇒ 土地地積更正登記

実測した面積と登記簿に記載された面積が異なる場合に、登記簿の面積を直す手続きのことを「土地地積更正登記」といいます。 この登記には申請義務はありませんが、土地を分筆する時、実測した面積と登記簿に記載された面積の誤差が、認められている限度を超えている場合には、土地地積更正登記を申請しなければならないことが不動産登記法で義務づけれられています。

ポイント
測量した結果、実測した面積が登記簿の面積より少ない時は、固定資産税などに関係してきますので、ご確認ください。また、土地を実測売買する際、土地の取引条件によっては、登記簿と実測の面積を一致させる(土地地積更正登記)必要がある場合があります。売買契約の内容をお確かめください。

数筆の土地を1つにまとめたい方 ⇒ 土地合筆登記

複数の土地を1つの土地にまとめる登記手続きを「土地合筆登記」といいます。土地を1筆にまとめることは、所有者様の自由ですが、合筆登記の申請には、次のような制限(合筆制限)があります。

  1. 地番区域が一致しているか(字や○○丁目などが一致していること)
  2. 接続した土地である(必ず隣接していなければならない)
  3. 地目が一致している(合筆前も合筆後もすべて同じ地目であること)
  4. 所有者(持分も含めて)が同一である
  5. その他(所有権の有無・所有権以外の登記のある土地)同一である

ポイント
土地合筆登記後の面積は、登記簿の面積の合計面積となります。土地の測量は必要ありません。登記簿も1つになり、1筆ごとにあった登記識別情報(権利証)も1つになります。

建物を増築された方、物置、車庫など附属建物を新築された方 ⇒ 建物表題変更登記

建物を増築したり一部を取り壊した場合、附属建物を新築した場合等には、工事完了日から1カ月以内に「建物表題変更登記」を申請することが義務づけられています。 登記簿の内容を、現状と同じにする手続きを行います。登記簿の記録事項の変更手続きを行いますので、新たに権利に関する登記(司法書士)を行う必要はありません。 建物表題変更登記を忘れずにしておくことで、大切な財産を法的に守ることができます。

ポイント
建物表題変更登記の申請には所有権を証明する書類などの添付が必要になります。これらの書類は、工事後すぐであれば容易に準備できますが、何十年も経過すると紛失することもあります。